松本清張傑作短篇コレクション
恥ずかしながら、松本清張さんの作品を今までひとつも読んだことがありませんでした。全く違うかもしれませんが、松本さんというと「巨匠」「社会派」というイメージがあり、社会派ものにあまり興味がないので、今まで読む気がしなかったのです。
今回読むことになったのは、この本が宮部みゆきさんの好きな作品でまとめられているためです。全ての収録作品に宮部さんによる解説がついていることも、読もうという動機になりました。
つまり、宮部さんが関わっていなければ、多分読んではいないと思います。宮部さんのバックグラウンドのひとつを知りたくて読んだ、という感じです。ここまで書けば言うまでもありませんが、私は宮部さんの作品が大好きです。
長い前置きですが、このように「読みたくて読んだ」というよりは「読まなくては」という気持ちで読んだのが、読後感に影響を及ぼしてしまったように思います。正直なところ、全ての作品を手放しで心から面白い!とは思えませんでした。
どの作品も、話自体は興味を引かれ、どんどんのめり込んで読んでしまうのですが、どうにも読後感が良くありません。1作品くらいハッピーエンドがあれば、まだ救われるのですが、どの作品もすっきりした終わり方をしません。
色に例えるなら「灰色」という感じです。黒ではないけれどすっきりしない。天気に例えるなら「どんよりした曇空」。社会派の作品だから、そういうものなのかもしれませんが、1作読むとガックリと気持ちが沈んでしまいます。
おかげで、1作読み終えるたびに「はぁ~~~」とため息をついては一休み・・という感じで、全ての作品を読み終えるのに多大な時間と精神的なエネルギーを費やしてしまいました。
このように書くと文句を言っているようですが、そうではありません。気持ちが沈むのにヤメラレナイ。妙な中毒性が、松本さんの作品にはあります。イヤなら読まなければいいと思いつつ、読んでしまうのです。自分でも不思議です。
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