新卒はツラいよ!
就職氷河期の就職活動から、一人前の職人になるまでを描いたマンガエッセイ本。
結論。面白かったです。特に中小企業のプログラマは読んでおいて損はないと思います。
私も一応、中小企業のプログラマだったので、いろいろな顧客の下へ二次・三次請けとして出向していました。なので、劣悪な環境は色々見ていたと思っていましたが、かなり認識が甘かったようです(笑)。
きたみさんの所属していた会社ほどの(ある意味)スゴイ会社は見たことも聞いたこともありません。実在するんですね、こういう会社・・。
基本的にコレデモカッというような苦労話なのですが、やはりフリーになるような御方なので、きたみさんは行動力や思考力が飛びぬけているように感じました。とても知恵のある方であることが分かります。
一番共感できたのは、「結局は一緒に仕事するメンツ次第なんだよ」という言葉。これには、とてもとても激しく同意します。
プログラマやシステムエンジニアのお仕事は、案件の大小・複雑さの違いはありますが、基本的に「顧客にとって一番良い問題解決の形を引き出して、それを構築する」ものだと(私は)思っています。
新技術を使ったり、新しい開発プロセスを試したりという楽しみはありますが、作るもの自体は家を建てるのと一緒で、どれもそう大きな違いはありません。
けれども、建築業界ほどIT業界では手法が確立されていないせいか、どうしても個人の技術力やコミュニケーションスキルといった部分に、成果物の良し悪しが左右されてしまう傾向があります。
そういう時、技術的・人間的に尊敬しあえる仲間と行うプロジェクトは、ただそれだけで至福の時間を過ごせるものです。技術的に尊敬できれば、互いに切磋琢磨しあえるし、人間的に尊敬できれば、問題が発生したときも「熱いけれども実のある話し合い」でコトが解決します。一度経験したらヤメラレマセン(笑)。
なので、きたみさんの上記の発言には全面的に賛成なのです。
一方、自分より実務執行スキルの劣った人に対して「あんたら・・・まだそんなとこ(=レベル)なのか?」というのは、ちょっと酷なような気がします。
もちろん、実際に言葉に出して本人に言ったわけではないので、問題があるわけではないのは承知していますが、(私の基準では)あまりにも表現がストレートなので、読んでいて気持ちが沈んでしまいます。
きたみさんは、著作をみる限り、かなり「デキル人」の部類に入ると思います。デキル人からすると、デキナイ人は「その程度のレベルなのかよ」という風にみえるのは仕方ないのですが、それを表に出さない(またはオブラートに包む表現などの)心遣いがあったらなぁ・・と思いました。
・・デキナイ人間(私)のヒガミなのは自覚しています(笑)。
もっとも、そういう直接的な表現をするから、この本はエッセイとしてインパクトがあって面白いのかもしれないので、エッセイとしてはこのような表現もアリなのかもしれませんね。
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こんにちは。
きたみりゅうじさんの「新卒はつらいよ!」を読んで、「あんたらまだそんなところにいるのか」という言葉がすごく衝撃的で、検索ページで「あんたらまだそんなところ」でヒットしたページがここだったので、拝見させていただきました。
私は「あんたらまだそんなところにいるのか」の言葉の解釈がdoyonさんと違っていて、こういう風に捉える人もいるのだなぁと考えさせられました。ちなみに私の捉えた解釈では、上司や仕事に対して文句を言っていて、今自分のやっている仕事に対して責任を持つ気がない状態で仕事をやっている、そういうレベルで仕事をやっていることに対し、「あんたらまだそんなところにいるのか」と言っていると解釈しました。キタミさんはハードな仕事を通し、仕事に対する「責任」というものを自分で持つことのできる強さを得たのではないかと思います。そしてその強さを得ることで、人間として成長したことを表現した作品だと思いました。
現在の世の中では、勉強ができる、英語がしゃべれる、一流大学を出て、一流の会社に勤めてる、お金を持っているということで人間の価値を決めてるという部分が少なからずあると思います。確かにそれがステータスになるかもしれないけれど、それが本質ではない。精神的、人間的に強い人こそが本当に価値のある人ではないかと思います。
…すこし話がそれてきたのでもうボチボチにしたいと思いますが、また本を探すときはこちらの感想文を読んで参考にしたいと思いますので、よろしくお願いします。では失礼します。
> ono akinoriさん
こんにちは。コメントいただき、ありがとうございます。
なるほど、確かに、ono akinoriさんのおっしゃるような解釈もありますね。人によって作品の捉え方は様々なのだなと思いました。貴重なご意見を拝見する事ができ、嬉しく思います。
不要かもしれませんが、以下に少々補足させていただきます。
どの業界でも大差はないと思うのですが、上司や、自分を取り巻く環境に不満を持つ人はたくさんいるし、文句や愚痴を言う人もいます。私の狭い主観ですが、そういう人たちの中で、自分の才覚で状況を打破できる(きたみさんのような)タイプは、どちらかと言えば少数派で、大抵の人は文句や愚痴を言いつつも、きちんと日々の業務をこなしていると思います。
自分の才覚で状況を打破できる人=実務執行スキルの高い人は、大抵の人が文句や愚痴を言うところを、自分で何とかしてしまいます。ある人は技術力で解決するでしょうし、またある人は周りの人を味方につけたりしてコミュニケーション能力で解決するでしょう。スケジューリング能力の高い人は、滞ったプロジェクトを上手くリスケジュールして問題を解決するかもしれません。
本文でも書きましたが、私はあまりスキルの高い技術屋ではありません。でも、自分なりにプロ意識を持って、給料にふさわしいだけの働きをしようと、頑張ってきたつもりです。それでも、時には文句も愚痴も言います。自分の力で状況を打破できない事の裏返しです。・・認めるのは悔しいですが、成長が足りないのですね(笑)。
きたみさんの「あんたら・・・まだそんなとこなのか?」という言葉は、そういう自分を否定されたように感じてしまいました。正しいのは、きたみさんだとは分かっているけれど、「何もそこまで言わなくても・・」と思ってしまうのです。ヒガミです。
ono akinoriさんは、「あんたら・・・まだそんなとこなのか?」という言葉を、きたみさん自身の成長を表す言葉と捉えられたのだと思います。多分、それが普通の反応なのかなと思います。私は「あんたら」に属する人間なので、「・・・まだそんなとこなのか?」という言葉が、グサグサと突き刺さったのです(笑)。
このあたりが、ono akinoriさんと私の解釈の違いの大元にあるのではないかな・・と、ono akinoriさんの解釈を拝見して思いました。
あまりマメに更新していないblogですし、文章も稚拙でお恥ずかしい限りですが、こちらこそよろしくお願いいたします。