LOST SPHEAR:クリア

セーブデータに☆が付くという意味でクリアしました(´▽`)

雑魚戦に比べてボス戦が結構キツめのバランスなので、少々人を選ぶところはあるかと思いますが、30時間程でクリアできるコンパクトさが良いです。ダラダラする要素が少なく、良くまとまっているゲームだと思います。

以下、思いつくままにツラツラ感想。

■灰色の世界

白vs黒、善vs悪、敵vs味方といった、きっちりとした区分けが無く、良くも悪くもまだらな灰色の世界観でした。

ラスボスだけは黒寄りだったので、もう少し灰色に近い立ち位置だったら更に良かったのかな?とも思います。
が、そういうゲームでは、「ラスボスにも事情があったんだ!悪いのは世界システムだ!」というような身も蓋もない方向に行くことが多い印象なので、これで良かったのかも。

帝国の指導者層がかなり魅力的で、敵だと思っていたら後になって味方になったという単純なものではなく、それぞれ自分の信念に基づいて行動していたのが素晴らしく好みでした。

■ロスト

本作の世界観の要であり、世界を発見していく上でのワクワク感を与えてくれる良システム。

RPGは、街からダンジョンを経て次の街へと移動していくものですが、毎度おなじみのそれは作業感の強いものです。
当然、このロストスフィアでも同じ作業をするものの、ただ移動するのではなく、途中でロストを元の状態に戻していくという別作業が発生することで、不思議なことにRPGのマンネリ移動がワクワク感に化けます。

おまけに、ロストから解放したついでにアーティファクトを設定して自己強化が出来るというのだから、楽しくないわけがありません。

■戦闘

前作いけにえと雪のセツナから継承されている法石システム。
今回は機装が加わることで少々ややこしくなっている気がします。

特にサポート法石は、序盤はともかく、中盤以降はそれなりに考えて設定しないとボス戦が辛くて仕方ありません。

それと、昇華が発生するためには、そのキャラを戦闘に出して実際にスキルを使わなければならないので、偏ったメンバーを育てていると、急にボス戦でキャラを変更したくなった時に使いものにならなくて困ります。

とはいうものの、レベル差補正がかなりキツめなので、中盤以降であればスキャン使用のレベル上げ+お金稼ぎで対策出来るのが良いところ。

結局、遺跡の奥のペンギンを倒せなかった私が言っても説得力がありませんが。

■音楽

いけにえと雪のセツナの時も思いましたが、世界観に沿ったいい曲揃いだと思います。

どうやらメロディラインがしっかりした曲より、しっとりとした落ち着きのある癒し系の曲が持ち味の作曲家さんなのかな?といった印象でした。

DL版特典?のサントラ2曲を聴いての補足。
ゲームプレイ中は音量が小さめだったせいか気付かなかったのですが、ヘッドホンでじっくり聴くと、音作りが独特だということがわかりました。
音が詰まっていなくて、立体的な空間の中でそれぞれの音がうまくばらけている感じがとても気持ち良いです。
ゲームプレイ中にヘッドホンを使わなかったことを軽く後悔中。

■ストーリー

流れ的には完全に王道RPG。
プレイヤーが付いていけないわけわからんちん展開とか、意味ありげに放っておいて回収されない伏線とか、そういったものからは程遠い話運びですが、最後の月周りの彼女の役割だけは少し分かりづらかったかも。

最後でカナタが選択を間違えたかも?と何度も言うのが気になったのですが、あれは何か意味があったのですかね?

■キャラクター

特に好きになったキャラはいなかったけれど、苦手なキャラもいなかったという意味では珍しいゲームだった気がします。
パーティーの参加頻度の高さ順にメモ。

カナタ

世界の希望的問題解決系男子。
最初の頃は、いけにえと雪のセツナのセツナよろしく強気で前向きに正論を言って周りを巻き込む人だったのですが、途中から揺らぎが出てきて妙に安心したのを覚えています。

戦闘面ではオールラウンダー。
攻撃良し、守り良し、回復良しで使い勝手が良かったです。

ディアント

頼れるみんなのナイト。
ストーリー的には少し影が薄めですが、ブレない赤子という安心感のあるキャラでした。

戦闘面では守り役。
特に、カナタとの連携技アブソリュートはボス戦で超絶お世話になりました。これがなかったら、多分クリア出来なかった。

ガルドラ

超絶誠実系軍人の鑑。
武人の中の武人といった言動がカッコ良すぎてちょっと出来過ぎだろうけど、それがガルドラ。ちょうかっこいい。

戦闘面ではボス戦特化型アタッカー。
最終武器+10での防御を捨てた神速使用時の与ダメはパーティー随一でした。まあ、その分死亡率も随一でしたけれども。

ロック

イメチェン系ガンナー。
初期メンバーで大して特徴もないなんて、この子は絶対に空気になるぞ・・と危ぶんでいたら、最終的にメインメンバーの一人になりました。途中でのイメチェンは結構過酷なものだと思うのですが、割とサラッと流されていたのが凄い。
何気に、世界の技術系最先端話の担い手。

戦闘面ではアレンジメントでのアイテム全体化が超優秀。CT1で割とガシガシ使えるので、ボス戦ではずっとなにかしらのアイテムを投げていました。

シェラ

真面目系巫女さん。
ストーリー的にはどのあたりが巫女なんだろう?と言う感じですが、巫女さんだからいいのです。

戦闘面では八人中唯一の回復役だったはずなのですが、結局最後まで蘇生スキルと状態異常回復スキルを覚えることが出来なかったので二軍落ちになってしまいました。

ヴァン

リア充系ツンデレ男子。
リア充爆発しろ。

戦闘面では、とにかくビットの扱いがさっぱり分からず、スキル説明を読んでも理解が出来ず、二軍落ちになってしまいました。アーティファクトにも特別なものがあるし、使いこなせれば多分優秀なキャラだったと思うので残念無念。

ルミナ

拳で語る系女子。
ロック同様、この子も空気化しそうだと思っていたら、意外なところでスポットライトが当たって驚きました。

戦闘面では、・・・使いこなす以前の話で、最初のメンバーが四人以下の時しか戦闘に出していません。夢幻闘舞的なものが使えたら違ったかもしれませんが。

オバロ

歴史の語り手。
なんだか良く分からない話になると決まって解説してくれる、ストーリー上いてくれるととても助かる系オッサン。割と若者の多いパーティーでの大人枠。

戦闘面では、ヴァン同様範囲指定が面倒で、操作の煩わしさから二軍落ちになってしまいました。

■マイナス点

ものすごーく細かい話になりますが、マイナス点もちらほら。

イベントのスキップ機能
ボス戦は全滅してやり直すのがデフォだったので、イベントのスキップ機能が欲しかったです。
早送りは出来ますが結構長いので、サクッとスキップ出来たら嬉しかったところ。

アイテムの自動選択
それと、各街の食材募集で必要なものを渡す時、毎回大量の食材の中から自分で探さなければならないので、持っているのなら自動で選んで欲しかったです。

ダッシュ機能
一応機装で短時間ダッシュは出来るし、中盤以降は飛空艇がありますが、せめて街とフィールドだけでもダッシュ出来たら嬉しかったです。
結構食材探しでフィールドをウロウロすることが多いので、狭いところに降りられない飛空艇だと不便なのですよね。

機装の名前表示
戦闘で機装に乗っているとき、単体ヒールしようとするとどれが誰の機装だか判別できなかったので、タゲったら名前を表示してくれると良かったです。これはもしかするとどこかに表示されていたのかもしれませんが、私は分かりませんでした。

■まとめ

最近の新作ラッシュでなんとなく埋もれてしまっている感がありますが、良作RPGだと思います。

ボス戦が少々キツイですが、ほとんどのボス戦は手前にセーブポイントがあるので、初戦はボスの攻撃パターン把握程度の気持ちで全滅当たり前の気持ちで遊ぶと精神衛生上良いです。

ストーリー良し、音楽良しと、ワタクシ的好みをしっかり押さえてくれているので、忘れたころにもう一度遊びたいですね。